自動車部品製造で磨いてきた技術とノウハウを
教育プログラムに凝縮し、
世界のものづくり産業の発展に貢献する。
デンソーは従来から自社の生産工程において、無駄を徹底排除した経営効率の高い自動生産システムである「リーンオートメーション」を取り入れてきました。「自動化の前の合理化」「現場で磨かれた技術とノウハウによる自動化」「人と機械が共に成長し続ける現場作り」を繰り返し、さらに組織と環境構築によって人づくりを行い、ものづくりの現場を支える。この「Lean Automation®」を通じ、世界のものづくり産業の発展に貢献します。
自動化の前に、合理化
現状をそのまま自動化するとムダも含めて自動化してしまう。まずは自動化の前に、人作業のムダを徹底排除します。
現場で磨く、自動化技術
メーカー/ユーザー/インテグレーターである私たちが、自社工場の現場で磨き続けてきた技術とノウハウで自動化を行います。
改善する、現場作り
機械だけでなく人の能力も活かした改善によって、人と機械が共に成長し続ける、現場の進化に取り組みます。
モノづくりは、ヒトづくり
卓越した技能を生み出す組織や教育環境の構築によって、ものづくり全体の進化に取り組みます。
このリーンオートメーションの考え方をもとに、
タイ国内で生産設備やFA機器などを取り扱うシステムインテグレータ*1を育成する活動をしています。
*1 様々な機器を組み合わせ、効率的な生産ラインの設計を行う企業の総称。
2018年より、タイの産業支援活動の一環で、デンソーとデンソーウェーブは『Connected Industriesにおけるリーンオートメーションシステムインテグレータ(LASI)育成活動』を開始しました。自社のものづくりの中で70年間培ってきた自動化の経験とノウハウを凝縮し、リーンでムダのない自動化を実現できるシステムインテグレータの育成を行っています。このプログラムでは、単なる人のロボットへの置き換えによる自動化ではなく、工程のムダを改善してからロボットを導入するという、正しい自動化のステップを教えています。タイの政府・大学・教育機関とも深く連携して、Thailand4.0実現の柱の一つであるロボット・IoT分野を担うシステムインテグレータの育成に貢献しています。
タイでは、就業労働人口の減少・人件費の高騰により、産業構造の転機を迎えています。タイの製造業をリードしてきた日系企業は、タイにおける手作業主体のモノづくりを高度な自動機主体のモノづくりへ転換することによる生産性の向上と、それらを構築する自動化システム(設備、ラインなど)を企画・設計から製作、導入、保守まで行えるオートメーションシステムインテグレータが希少的存在となっていることも大きな課題となっています。
そこで、タイでのLASI教育により自律的な発展を目指し、リーンオートメーションを浸透させ、タイの企業の競争力強化に貢献し、この活動を通じてタイにおける自動化エンジニアリングの質も高めていきます。
リーンオートメーションの考え方から実現プロセスを具体的に学んでもらうため、デンソーが培ってきた知見の体系化はもとより、タイの教育機関、大学とも連携し全12講座、座学・実技合計160時間の教育プログラムを開発しました。単に日本から教材を輸入するだけでなく、タイの方々と一緒に作り上げるプロセスを持つことで、技術移転や活動の拡大を狙っています。
1 | Manufacturing System |
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2 | Lean Manufacturing |
3 | Lean Manufacturing Practice |
4 | Lean Automation System |
5 | System design for Lean Automation |
6 | TPM (Total Productive Maintenance) |
7 | Lean Kaizen Practice |
8 | Lean Robot Operation |
9 | Machine Simulator |
10 | Machine Controller |
11 | Plant Simulator |
12 | Cyber Physical System |
13 | OJT Curriculum |
14 | Visualization |
LASI教育は、「自動化前のムダ取り」「ムダのない自動化の設計」「高い効率の維持」という3つの柱で構成されています。この考え方の下、手組、半自動、全自動と段階的に自動化するプロセスを学びます。 手作業ラインでミニカーを組み立て、ムダのない作業を設計。その動きをそのままロボットに移植し、ムダのないロボットの動作、自動化の設計を学んでいきます。考え方を座学で学び、それを実際の設備を使った実技で理解を深める構成となっています。 受講生は、自ら設備を分析して問題点を発見し、どのように設計に落とし込むかという一連の改善活動を行いながらリーンオートメーションを体系的に学ぶ中で、受講生は手を動かし、議論しながら、同時に共に働く仲間づくりも行っていきます。
LASIの活動は、バンコクの工業省内の施設であるIndustrial Transformation Center(ITC)に設置したLASI Training Centerを拠点として地方都市に拡大、そこからさらに地域へリーンオートメーションを浸透させています。
バンコクの工業省内の施設内のトレーニングセンターでは、座学を学ぶ教室と、実技を通して学ぶための生産用設備を設置し、実践的な学びの場を提供しています。この生産設備は最新の自動化機器や情報システムで構築されており、培ってきたリーンオートメーションの考え方に加え、最新の自動化技術、工場視点でのカイゼン、IoTの情報技術を同時に学ぶことができるように構成されています。また、タイ製造業関係者への周知と利活用の利便性を図ることはもちろん、広く日系の産業機器メーカーへの恩恵を狙うため、特定の企業の機器を用いるのではなく、オープン性を持たせた設備としています。
LASI活動の拡大の声に応え、かつ教育の質を落とさずに正しく理解してもらうためには、タイでのトレーナー育成が非常に重要です。中長期的なタイでの自律的な発展を目指して、教育と実践指導を通じ、デンソーはタイのマスタートレーナーの育成にも協力していきます。
このような活動を行いながら、自動化に関わる様々な人をつないでいき、タイの人材基盤、産業基盤を強化によって自律的なリーンオートメーションを加速し、タイランド 4.0の実現へ貢献していきます。また、日本流リーンオートメーションがグローバルに広がることで、日本流ものづくりのブランド化と革新にもつながり、日タイ双方の成長だけでなく、世界のものづくり産業の生産性向上に貢献していきます。
Aug | SIMTec Grand Opening |
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#5 SIer Course / #2 University Course Graduation | |
Jul | Regional Introduction Courses Completed in total 9 provinces |
Jun | MOU Ceremony DIP-SIMTec |
Apr | MOU Ceremony DIP-Denso |
Feb | Regional Introduction Courses Completed in 4 provinces |
1st Class of Thai Trainers began at LASI | |
Jan | 1st OJT Curriculum with DIP and TGI |
Nov | LASI Presentation at FTI Seminar |
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Sep | 1st LASI Concept Implementation by LASI Trainees |
Aug | PM Prayut visits LASI Booth at Thailand Industry Expo 2018 |
#1 SIer Course / #1 University Course Graduation | |
Jul | Deputy PM Dr. Somkid visits Denso Japan |
#1 Universtiy Course Opened | |
May | LASI Grand Opening at ITC |
LASI Training Launched #1 SIer course | |
Mar | LASI&FTI model line activity started |
Jan | MOU Ceremony MOI-Denso |
Dec | Robot School started at LASI/ITC Start Lean Automation Committee in FTI |
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Oct | 1st Curriculum Development Consortium |
Sep | Thai-Japan Symposium |
Aug | Deputy PM Dr. Somkid visits Japan LASI METI/JETRO Project Accepted |
May | LASI Concept Discussion with MOI & METI |