専門知識がなくてもAIでロボット動作を構築できるソフトウェア 簡単・低コストで導入可能な「AI模倣学習」を4月1日から出荷開始
~言語化・プログラム化できない動作をAIで模倣~

2021.03.24
 株式会社デンソーウェーブ(本社:愛知県知多郡阿久比町、代表取締役社長:中川弘靖)は、このたび、デンソーロボットをAI(人工知能)でリアルタイムに制御する汎用ソフトウェア「AI模倣学習」を4月1日(木)から出荷開始します。価格はオープン価格で、業界や用途を問わず幅広い分野での導入を想定しています。
このソフトウェアはロボットの動きと複数のセンサーの情報をAIが学習し、プログラミングでロボットを制御することが難しかった作業者の勘やコツなどの経験に頼った作業の再現を可能にするもので、AIやコンピュータの専門知識を持たなくても、自動化したい作業内容を理解しているユーザーが簡単に利用できるように設計されています。

 近年、生産性向上や人手不足を背景にさまざまな分野で自動化やロボット導入が進んできましたが、ロボットの制御や動作のプログラミングは専門知識が必要で、実際にロボットに行わせたい作業を理解しているだけでは導入や運用が難しい課題がありました。加えて、ロボットを導入して自動化が進んだ場合でも、ロボットの動作が条件によって多様に変化する作業では、それぞれに応じたロボットの動きを設計する必要があり、膨大な量のプログラムが必要でした。これらの課題を解決するため、デンソーウェーブは2017年に発表したマルチモーダルAIロボット以降、非定形作業をいかに簡単にロボットが実行できるか、商品化に向けて開発を進めてきたのが「AI模倣学習」です。
このソフトウェアの核となるAIは、米国・Google社出身のエンジニアが設立したAI企業のintegral AI(本社:アメリカ合衆国 サンフランシスコ、Co-Founder兼CEO:Jad Tarifi)が開発しました。構成はシンプルで、1台の産業用パソコンで周辺機器からのデータの収集・学習・推論のすべてが完結するため、導入時の初期費用を低減できます。また、従来のAIシステムに多く見られた学習のための都度費用や回数の制限もなく、自由に推論モデルを構築できます。そのため専門のAIエンジニアに依頼しなくてもユーザー自らがPoC(※1)を実施し、トレーニングやスキルの習得が可能です。
 さらに、安定した稼働のために同一のソフトウェアを使い続けたいFA業界と、常に最新のバージョンを提供するAI業界の差異を解消するため、毎年のバージョンアップによる最新AI技術の提供だけではなく、旧バージョンの長期提供やリリース後3年までのバグ対応など、導入時も使い続ける時も安心のサポートを提供し、ユーザーの使いやすさを追求します。

 デンソーウェーブはこれからもより多くの方が簡単に扱えるロボットシステムの提供を目指し、より効率的な産業用ロボットの活用に貢献してまいります。

■「AI模倣学習」製品WEBページ
 https://www.denso-wave.com/ja/robot/product/software/aiil.html

 

<参考資料>

「AI模倣学習」の特長

・使いやすいユーザーインターフェースを搭載し、トレーニングデータの取得や学習、推論をストレスなく操作できます。
・プログラムによるロボット動作生成とAIによる動作生成の組み合わせも可能です。





データ取得・学習・推論の実行方法

①トレーニングデータ取得

模倣させたい動きをロボットにさせて、その時の「ロボットの動き」と「環境・状況変化」をトレーニングデータとして取得します。データの取得は各種センサーやカメラを使用します。

②学習

集めたトレーニングデータから推論モデルを生成します。実行はUI画面のボタンを押すだけです。学習時間を短縮できるテスト学習モードや不要データの除去設定が可能です。

③推論

現在の環境・状況からAIが未来の動作を推論、動作命令を発行しロボットを動作させます。



 
  1. ※1. PoCとは、Proof of Concept(概念実証)の頭文字を取ったもの。新たなアイデアや手法、コンセプトなどに対する実現可能性やそれによって目的の効果が得られるかなどについて検証することを指します。

※デンソーウェーブが取り組む産業用ロボット用AI模倣学習は、早稲田大学 尾形哲也教授の研究理論に基づいています。

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