デンソーウェーブ、産業のIoT活用・DX推進に貢献する統合ミドルウェアを開発

2025.02.12

~製造分野での知見を多様な分野に展開、産業全体でのDXに貢献~

 株式会社デンソーウェーブは、各産業のIoT活用によるDX推進に貢献するデータ統合ミドルウェア(製品名:ORiN3 Runtime(オラインスリー・ランタイム))を開発、2025年2月12日から提供を開始します。


 統合ミドルウェアは、デバイスと特定の機能を果たすアプリケーションの中間に位置し、両者をつなぐソフトウェアです。製造業においては、データ通信規格、プログラム言語が異なるさまざまなFA機器で生産工程が構築されることから、かねてより多種多様な機器のデータを統合、一元的に情報を取得・活用することが求められ、2001年に一般社団法人日本ロボット工業会を母体とするORiN協議会が、ORiNと呼ばれるミドルウェア仕様を制定しました。

 デンソーウェーブ(注1)は、産業用ロボットを1970年代から開発・提供してきた経験からミドルウェアの必要性を認識、同協議会発足時から参画しORiN開発の一翼を担うとともに、ORiNをベースにした統合ミドルウェアを推進してきました。そして製造業を中心としたIT活用に従事する中で、2006年にFA機器のデータ通信に対応した「ORiN2 SDK」の提供を開始、Windows OSのPCから各FA機器への統一的なアクセスを実現しています。そしてこのたび、そうした豊富な知見・経験を活かし農業や医療分野をはじめとする多様な産業のDX推進に貢献すべく、AI活用およびデータ収集を可能にする新製品「ORiN3 Runtime」を開発しました。同製品では、マルチプラットフォーム対応とマイクロサービス対応をしていることが特長です。
 
ORiN2 SDKとORiN3 Runtimeの変化点

分類

ORiN2 SDK

ORiN3 Runtime

プラットフォーム

Windows

Windows, Linuxなど

アーキテクチャ

x86

Arm64, x64

ベースの技術

COM

gRPC

セキュリティ

-

TLS/SSL

設計

モノリシック

マイクロサービス

ランタイム

Microsoft CRT

.NET 8.0


 

 デンソーウェーブは、長年のFA分野における豊富な経験を基に、製造業におけるIoT推進、そのための統合ミドルウェア開発・提供することで、社会・産業の効率化を積極的に推進していきます。その他にも自動認識事業を展開する中で、将来の情報化社会の到来を見据え、当時、開発が始まっていた二次元コードに着目し、高速で一部の汚れや欠けにも強い大容量の新たな二次元コード「QRコード(注2)」を1994年に開発しました。コード関連特許を原則無償で開放し普及に努めるとともに、鉄道駅ホームドアシステム向けの専用QRコード開発など、社会・産業の効率化に貢献しています。

(注1)ORiN協議会発足時は、産業用ロボット事業は株式会社デンソーの1部門が推進しており、2001年10月にデンソーから関連部門や自動認識事業等が分離・独立し株式会社デンソーウェーブが発足して以降、デンソーウェーブの1事業として活動。
(注2)QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

 

 


 

【ORiN3 Runtime詳細ご説明】
■マルチプラットフォーム対応
 「ORiN3 Runtime」はどんな環境でもアプリケーションと機器をつなぐサービスを提供できるようにするため、Windows OSだけでなく、Raspberry Pi OSを含むLinuxなどさまざまな動作環境に対応しました。これにより、安価なデバイスであるRaspberry Piや大規模システムの構築に活用されるクラウドでの動作が可能となりました。また、拡張性、柔軟性、安定性の高いシステムを構築できるDockerコンテナでの動作も可能です。

・サポート環境                              

OS

バージョン

アーキテクチャ

Ubuntu

24.04, 22.04

Arm64, x64

Red Hat Enterprise Linux

9, 8

Arm64, x64

Raspberry Pi OS

Bookworm(Debian12ベース)

Arm64

Windows

11, 10

x64

Windows Server

2022, 2019, 2016

x64














・コンテナサポート環境  

実行環境

OS

バージョン

アーキテクチャ

Docker

Ubuntu

24.04, 22.04

Arm64, x64

Red Hat Enterprise Linux

9, 8

Arm64, x64

WSL 2

(Windows Subsystem for Linux Ver.2)

Ubuntu

24.04, 22.04

x64


 

■マイクロサービス対応

「ORiN3 Runtime」は「ORiN2 SDK」で提供していたサービスを“各種装置にアクセスし、情報の取得や設定を行う機能(プロバイダ)”と“プロバイダの構成管理や起動制御を行う機能(リモートエンジン)”に分離しました。これにより、デバイスに必要な機能のみをインストールすることができるため、安価な低スペックPCの活用が可能となりました。また、負荷状況に応じて必要な機能のみをすばやく起動・停止できるようになり、大小さまざまなシステムに対応しやすくなりました。

◇製品に関するお問合せ先
株式会社デンソーウェーブ 営業企画部企画2室
〒448-8661 愛知県刈谷市昭和町1-1
Tel: 0566-55-9478 / FAX:0566-25-4779  / Email: iot-sales@denso-wave.com

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