株式会社デンソーウェーブ(本社:愛知県知多郡阿久比町、代表取締役社長:中川弘靖)と東京都交通局は、編成車両数やドアの数が異なる車種でも列車車両ドアに貼りつけたQRコードを読み取ることでホームドアの開閉制御が可能なシステムを共同で開発しました。また、本システムを活用したホームドア制御の有効性を検証する実証実験を行った結果、貼付したQRコードを読み取ることでホーム進入から進出までの車両の動きを判定でき、ホームドア制御との連携が正しく行われることが確認され、その有効性が実証されました。なお、QRコードをホームドア制御に用いるシステムは、世界で初めての実装となります。
今回開発したホームドア開閉制御技術は、車両ドアのガラス部分に貼りつけたQRコードと、QRコード自体の横方向の動きを駅ホーム上部に設置したスキャナーで読み取り、車両ドアの開閉状態を検知・制御するものです。QRコードにはそれぞれの車種に合った位置のホームドアを開閉させるためのドア数や編成車両数の情報を格納しています。採用したQRコードは最大50%が欠損しても読み取れる新開発のQRコードで、ホームの照明や屋外などの照度のばらつきによる読み取りの確実性も向上させました。さらに複数カ所のドアにQRコードを貼りつけて検知することで、万が一QRコードの剥がれや個別のドアの異常などが発生した場合でも信頼性を確保できるようにしています。
本実証実験の詳細は、2017年11月29日(水)から12月1日(金)まで開催される「第5回鉄道技術展2017」(会場:幕張メッセ)のデンソーウェーブブースで紹介します。
近年、ホーム転落事故防止の観点からホームドア設置ニーズが高まっていますが、複数の鉄道事業者による相互直通運転が行われているホームでは、乗入れ車両のドア数やドア位置に違いがあるため、各社の車両形式や編成の種類に対応する必要性と、ホームドア設置による輸送能力を低下させないドア開閉の制御方式が求められてきました。この課題に対し、デンソーウェーブと東京都交通局は各社車両の大規模改修を行わずにホームドアと車両ドアを連携させるシステムの実現を目指してQR コードの特性を生かしたホームドア開閉制御システムを開発。実証実験によりQR コードによる制御の効果検証を行いました。