

株式会社デンソーウェーブは、自社開発の「2D LiDARを活用した踏切障害物検知装置」が、一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)主催の「第28回自動認識システム大賞」において優秀賞を受賞したことをお知らせします。
◆自動認識システム大賞とは
一般社団法人 日本自動認識システム協会(JAISA)が、自動認識技術やシステムの発展と普及・啓発を目的として、先進的かつその効果が顕著な自動認識関連の技術やシステムを表彰するものです。
◆受賞システムの概要
「2D LiDARを活用した踏切障害物検知装置」は、自動車分野で培った先進運転支援システム(ADAS)のセンシング技術を鉄道分野へ応用した、踏切内の障害物を検知するシステムです。2D LiDARにより踏切内を面的に監視することで、従来の光線式やループコイル式では検知が難しかった歩行者や車椅子利用者、転倒者などの低い障害物を捉えます。
また、LiDARが苦手とする黒色車両や鏡面反射物体に対しては、特許技術「ポール検知」により検知性能を向上しています。さらに、制御部をLiDAR筐体内に内蔵することでシステム構成を簡素化し、導入や保守に伴う負担の軽減を実現しました。
◆受賞のポイント
本システムは、従来方式では検知が難しかった事象にも対応する高い検知性能に加え、340日間の実証試験で未検知0件を達成した信頼性、そして鉄道インフラの安全性向上を通じて安心・安全な社会の実現に貢献する公共性が評価され、優秀賞を受賞しました。
◆受賞システムの特長
1. 多様な障害物を検知
対向配置した2台の2D LiDARにより検知範囲を広くカバーし、車両だけでなく歩行者や車椅子、転倒者など、多様な障害物を検知します。従来方式では見逃される可能性のあった低い位置の障害物にも対応します。
2. 特許技術による高い検知性能
近畿日本鉄道株式会社との共同出願による特許第6179014号の技術を活用し、黒色車両や鏡面反射物体など、従来検知が難しかった対象の検知性能を向上しています。
3. 保守性と運用性を向上
制御部をLiDAR本体に内蔵することでシステム構成を簡素化し、運用・保守負担を軽減しています。また、非接触で面的に踏切内を把握するため、現場環境に応じた検知エリアの変更も容易です。昼夜や天候の影響を受けにくく、光軸調整などの保守作業も低減できます。
◆導入効果
実際の踏切において340日間のフィールド試験を実施した結果、従来の光線式障害物検知装置が見逃していた事象を413件検知しました。また、踏切内の障害物を「障害物なし」と誤判定した件数は0件でした。これにより、踏切事故の低減や安定輸送への貢献が期待されています。
◆今後の展望
デンソーウェーブは、本システムを通じて公共交通インフラの安全性向上に貢献するとともに、国内で培った技術と運用ノウハウを活かし、海外鉄道市場への展開も目指してまいります。
◆関連情報
・自動認識システム大賞 歴代受賞システム(日本自動認識システム協会)
https://www.jaisa.or.jp/award_history.php