株式会社デンソーウェーブ(本社:愛知県知多郡阿久比町、取締役社長:相良隆義)は、動物感染症が発生した際、都道府県当局が行う感染症対策従事者の動員管理を、QRコードを活用して効率的に行えるシステムを開発し、広島県農林水産局に提供しました。
鳥インフルエンザなどの動物感染症が発生した場合、都道府県当局は迅速かつ大規模な感染症対策を実施する必要があります。この際、多くの関係者が集合し、都道府県内の各所に移動して対応することになりますが、担当する関係者、管理する当局に多大な負担がかかっていると認識しています。
例えば、各所での受付において動員者の出席確認を主に紙資料により行っているケースがあり、多大な時間を要するだけでなく、「誰が、いつ、どこにいるか」という必要な情報の関係者間共有が困難になっている場合があります。このような状況では、対応する関係者および動員を管理する当局双方に多大な負担がかかります。
デンソーウェーブは、30年前の1994年にQRコードを開発し、その後、専用の読み取り機を世界で初めて開発・提供しています(注)。そして、長年蓄積した二次元コードと読み取り両面にわたるノウハウ・経験を基に、これまでもQRコードを活用したソリューションを開発・提供してきました。近年では、オフィスの来訪者管理システムを開発し、紙管理からデータで人の動きを把握することで、「人と人をQRコードでつなぐ」ことによる効率化を提案してきています。
今回の動物感染症動員管理システムも、そうしたこれまでの知見を踏まえて開発し広島県農林水産局様に提案、同県の競争入札を経て2024年3月に提供しました。そして、本年7月25日に広島県庁で関係部局の方々約50名が実際に参加してのシステム説明および訓練が行われ、当社からも担当者が参加し、システムの説明や訓練の補助を行いました。
同システムでは、関係者一人ひとりにQRコードをあらかじめ発行し、スマートフォン等に送付、動物感染症対策時にそのQRコードを集合場所等で読み取ることで関係者の動員状況、移動時のバスの割り振り、移動先への到着・出発状況、勤務時間把握等をシステムで一括で行い、事務局の人員管理にかかる工数を大幅に削減します。また、QRコードの読み取り機以外は手持ちのスマートフォンやPCで対応でき、特別な機器の購入や保管の必要がほとんどないことも、不定期に発生する動物感染症への備えの負担軽減になると考えます。
デンソーウェーブは、開発した動物感染症動員管理システムをより多くの都道府県で活用いただけるよう各所へ提案していくとともに、人と人をQRコードでつなぐことで社会・産業の効率化につなげるべく、これからもさまざまなソリューションを開発・提供していきます。
(注)日本電装株式会社(その後、社名変更し株式会社デンソー)が1994年3月にQRコードを特許出願し、事業展開。2001年10月のデンソーウェーブ設立時に、QRコードを含む自動認識事業が担当部門を含めて当社に移管され今日に至る。
(参考1:システム概要)
*QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。