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デンソーウェーブ×長崎大学、QRコードとARを融合した 利用者のお好みに合わせた施設内パーソナル案内アプリ「Quest touR」を共同開発
~長崎大学文教キャンパスにおいて実証実験を開始~

2021.02.11

株式会社デンソーウェーブ (本社: 愛知県知多郡阿久比町、代表取締役社長: 中川弘靖) 長崎ソリューション開発センターは、国立大学法人 長崎大学(所在地:長崎県長崎市、学長:河野 茂)との共同研究により、QRコードとARを融合し、利用者のお好みに合わせて施設内をナビゲーションするアプリ(Quest touR:クエスト・ツアー)を開発し、長崎大学文教キャンパス工学部一号館内において2021年1月から実証実験を開始しました。
デンソーウェーブは、地域の課題解決に貢献する長崎発・全国に届くソリューションの開発を目指して2019年から長崎県で活動しています。現在、長崎県の皆様(自治体、大学、地元企業など)とともにQRコードなどの自社技術を活用し、地域社会の課題解決に取り組んでいます。

 

このアプリは、既存の地図アプリでは目的の施設の入り口まではたどり着けるものの、施設内、特に建物内では最終目的地まで案内できないという問題を解決するために開発されました。今後は、アプリを実用化レベルまで改善するとともに、様々な領域において仮想空間の活用に関する研究を加速させる予定です。

従来は、ビーコンセンサという電波を発信する機器を建物内に複数設置し、その情報により位置を特定していました。今回は、設置済の無線LANの電波強度や施設の大きさ、気圧等をデジタル情報として収集し活用することで、新たな設備コストをかけなくても、利用者のスマホだけで施設内ナビゲーションを可能としている点が大きな特徴です。このアプリは現実空間の建物をデジタル空間に再現し、仮想空間にその双子(デジタルツイン)を構成することにより、「階段での移動を好む」「エレベーターなどバリアフリーの移動を好む」など、利用者のし好に合わせたパーソナルな施設内ナビゲーションを可能としています。

 

今後は、実証実験を通して本アプリを実用化レベルまで改善するとともに、様々な領域においてデジタルツインに関する研究を加速させる予定です。

<ご参考>【開発の経緯】

QRとARを融合した施設内ナビゲーションのアイデアは、長崎大学情報データ科学部 小林透研究室の学生が、2019年度長崎大学工学部・工学研究科が進めるPBL(Project Based Learning)型授業である創成プロジェクトの一環で、株式会社デンソーウェーブの技術サポートのもと創出したものです。本アイディアの具現化に向けて2020年度に長崎大学小林透研究室と株式会社デンソーウェーブは、共同研究を開始しました。
具現化に当たっての課題は、利用者のし好(階段を使って少しでも運動したい人や車いすで移動したい人など)に合わせて最適な経路を計算すること(課題①)と建物内の位置を精度よく推定すること(課題②)の2つでした。
課題①については、AIを活用して利用者のし好に合わせて最適な経路を計算するソフトウェアを開発しました。課題②については、屋内の場所によって異なる無線LANの電波強度や気圧、想定される移動距離、移動時間といった複数の要素を捉えることで、精度よく屋内の位置を推定する技術を確立しました。これらの技術開発は、自らも車いす利用者である小林透研究室の修士2年、鬼丸禎史君が中心となり、デンソーウェーブの技術サポートのもと行いました。

 

Quest touRでは、まず、利用者は目的地を入力し、経路検索条件を指定します(図2a)。次に、条件に従ったルートが自動計算されます。その後、QRコードを読み取ると、そのルートに従って目的地の方向を示す矢印がAR(拡張現実)により表示されます(図2b,c)。利用者がその方向に歩いていくと、分岐点の近くに次のQRコードがあることを画面と音声で指示されます(図2d)。そして、その場所のQRコードを読み込むと次の方向を示す矢印がARにより表示されます。これを目的地まで繰り返し、目的地の近くに来ると、「目的地の周辺です」というアナウンスが画面と音声で通知されます(図2e)。

2021年2月10日開催 報道向け発表会の様子

  1. *1 QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

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