バーコードリーダにできること
店舗での会計の際に使用するバーコードリーダや宅配便のスタッフが集荷や着払い処理の際に使用するハンディターミナルなどみなさんも一度は目にしているはずです。ほかに工場の在庫管理や生産指示に使う製品や、飲食店などでクーポンのQRコードを読み取る定置式リーダも開発しています。用途に応じて「小型・軽量」「堅牢」「小電力」といった特徴ある機種を展開し、中には「50m先のバーコードも読み取れる」という製品もあります。
バーコードリーダと言うと、多くの人は「リーダを手に持って読み取る」か、「コードの印刷面を機器にかざして読み取る」タイプを思い浮かべるでしょう。しかし、当社の製品はそれだけではありません。ヘッドフォンのように耳にかけ、両手で作業しながらバーコードの方に顔を向けるだけで読み取れるウェアラブルスキャナ。通話機能が付いた耐衝撃性の高いスマホ型リーダ。賞味期限などの印刷文字を認識できるハンディターミナル。パスポートの印字情報を読み取る定置式スキャナ。多様な使用シーンに対応し、ユーザーの使いやすさを徹底的に追求した製品を、数々開発しています。
業界をリードする理由
今を遡ること40年以上の1975年、まだ世間ではバーコードシステムが普及していない時代。(株)デンソー内にあった当社の前身となる部門では、トヨタ自動車のかんばん方式に対応するためバーコードリーダの実用化を行い、トヨタグループに全面展開して生産の効率化に貢献しました。その後、車内販売で利用されているバーコードハンディターミナルを世界で初めて発売するなど、国内におけるバーコードリーダの普及を支えてきました。
デンソーウェーブ製バーコードリーダの特長は、何といっても約40年にわたって蓄積してきた、すぐれた読み取り技術にあります。モノづくりの現場では、バーコードの印字面が汚れることが少なくありませんが、私たちはそれでも使用に耐える製品を生み出しました。このように印刷状態が悪い場合や、ほかにもスキャナの当て方が想定外の場合などでも、データを正しく読み取る信頼性を、経験に基づいたハード・ソフト両面の作り込みによって実現したのです。
バーコードリーダの未来
高い読み取り性能に定評のある当社製バーコードリーダですが、今後の課題は、さらに技術を進化させ、読み取りのスピードと正確さを向上させることです。そして、ユーザーの隠れたニーズを見つけ出し、「読み取る」だけでなく一味も二味もプラスの機能を盛り込むことです。たとえば先に紹介した「スマホ型リーダ」。宅配便のスタッフがこれを導入すれば、従来のようにハンディターミナルと携帯電話、計2つの機器を持つことから解放され、集荷や着払いの処理から、通話、報告書の文字入力まで、1台ですべて可能となります。このような「うれしさ」を、ビジネスシーンはもちろん、家庭や個人にも広げていきたいと考えています。
すべてのモノがインターネットにつながるIoT化が加速していますが、モノに付加した情報を読み取るバーコードリーダは「企業のヒト・モノ・カネを、情報でつなぐ」ためのインターフェイスと言えます。お客様企業の業務の効率化だけでなく、原材料仕入れから販売まで、国内外を含めたサプライチェーン全体をつないで最適化を図るために。また、私たちがめざす安全・安心で快適・便利な社会を実現するために。バーコードリーダの果たす役割は、さらに大きくなろうとしています。